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子育てをしながら働く女性の間でベビーシッターのニーズが高まっている。保育サービスなどを手がけるポピンズのチャイルドケア事業部で、ゼネラルマネージャーを務める井上直子さん(48)は、子供が乳幼児の頃ベビーシッターの手を借り、仕事と育児の両立に励んできた。子育ての経験を活かしてポピンズに入社した後、父親の介護と子供の教育問題が重なり一度は退職。5年後に再びポピンズに復職した。「一度退職して家庭に入った時の経験は今、仕事に活かされています」と語るように、キャリアのブランクにはならなかった。
*** 「働かせてください」とパンフ見て電話 *** 大学卒業後、外資系の通販会社で、広告やダイレクトメールの管理を担当していた。アメリカ本社と月に何度か国際電話を通じて行う職場会議は、時差の都合でいつも朝の6時から始まった。結婚して子供が産まれても仕事を辞めて家庭に入るという選択肢は浮かばなかったといい、朝早くから遅くまで仕事に没頭する日が続いた。「子供のことで仕事に穴をあけることだけは避けようと、ベビーシッターさんに毎日頼る生活を送っていました」。保育園の送迎や子供の発熱時も、ベビーシッターに頼った。井上さんが雇ったベビーシッターは当時にしては珍しく、マナーやしつけ、小学校の受験勉強にまで力を注いでくれた。子供が小学校に入学した時、「もっとベビーシッターの役割を世間に知ってほしい、働く女性に役立ててもらえるような活動をしたい」と思い、1987年創業のポピンズの門を叩いた。「パンフレットの裏に書かれている電話番号にかけて、『働かせてください』と単刀直入に言いました。今思うと無謀な行動かもしれませんが、やりたいと思ったら突っ走る性格。世の中の子育て支援をもっと手厚くしたいと、電話口で熱く語ったのを覚えています」。ベビーシッターを使いながら子育ての経験を仕事に活かして、一人でも多くの働く女性のサポートをしたい――。即、面接となり、入社が決まった。 ポピンズに入社してからは、働く上での“がむしゃらさ”に拍車がかかった。電話で顧客のオーダーを聞くことから始まり、子供を預かることにとどまらない、さまざまなニーズをサービスに反映させる「コーディネーター」としての役割を担った。例えば、急な残業などで保育園や幼稚園に子どもを迎えに行けなくなった親たちのオーダーを当日受け付けるようにしたり、インフルエンザや風邪など、体調不良の子どもの保育にも対応した。「父子家庭の父親から『自分は明日から海外出張なので子供を預かってもらう予定なのですが、子どもの学校がインフルエンザの流行で学級閉鎖になるかもしれない。そうしたら預かってもらえないのでしょうか』と、電話相談を受けたことがきっかけで、インフルエンザ対応をサービスの一つに加えることになりました」。かゆいところに手が届くサービスを反映させるために、一人一人、マニュアルではない、心に寄り添う対応を心がけた。 *** 燃え尽きて退職、アルバイトで復職 *** 顧客の一人から「ベビーシッターさんのおかげで子供の病気が治りました」という感謝の手紙をもらった時、この仕事を天職だと感じた。やりがいを得るとますます仕事にのめり込み、朝は8時に出社、夜は11時を過ぎて帰宅する日々が続いた。離婚を経験し、思春期を迎える息子を女手ひとつで育てる苦労にも直面した。知人から「これからは子育てに手がかからなくなっても、目がかかるようになるから、なるべく母親は家にいたほうがいい」と言われた。ある時息子に「よその子供の世話をしているのに、自分の子供の世話はしないんだね」と言われ、退職を決意。実家の父親が体調を崩し、介護のために週末の度に実家に通う生活が始まったことで体力的に続かないと感じたことも決意を後押しした。「仕事に没頭しすぎて疲れてしまい、燃え尽き症候群のような状態になっていましたし、要因が重なりました」 2002年に退職。当面、社会復帰はできないのではないかと思うと、複雑な気分だったが、アルバイトをしながら、家族中心の生活を送った。5年が過ぎた頃、元上司から「もう一度、うちで働かない? 」と、電話がかかってきた。再び就職するのであれば、家庭とのバランスを考えた上で働きたいと思うようになっていたので、即答は避けた。悩んでいると、高校生になった息子に「仕事も、ポピンズも好きなんでしょう? だったらやったらいいんじゃないの」と、背中を押され、復職を決意した。 07年にアルバイトで再入社し、翌年チャイルドケア事業部マネージャーとして正社員に。10年には10人の部下を抱えるゼネラルマネージャーになった。再入社後は、主婦の経験を活かしたサービスを考案した。その一つが助産師さんと連携して実現したプレシャス(新生児ケア)パッケージ。産前産後時期、新米ママの寝不足や疲労感を少しでも解消できるよう、身の回りの世話や、メンタルケア、赤ちゃんの沐浴の手伝いまで、豊富な知識と経験で徹底的にサポートするサービスだ。「初めての妊娠・出産時に不安が多かったことを思い出し、自らの体験をもとにサービスを考えました。仕事を辞めていた5年間はキャリアの『空白』ではなく、次のステップにつながる充電期間でした」 *** 「働く女性サポートしたい」の意志で、道開く *** 仕事と育児の両立を断念して家庭に入る女性は、今も少なくない。育児が一段落し、時間や気持ちに余裕が出て再び働きたいと思っても、退職した社員が同じ会社に再入社できる制度を設けている企業は、一般的にはまだ少数だ。「ポピンズは再就職を受け入れてくれたので助かりました。私は仕事にのめり込むタイプだったので一度退職してリセットをしましたが、オンとオフを上手に切り替えれば、リセットしなくても仕事は続けられると思います」 再スタートを切った時、一番大事にしていたのは、「自分はこうしたい」という強い意志を持つことだったと振り返る。「社長のモットーでもあるのですが、“意志のあるところにはチャンスは必ず巡ってくる”。再就職した時は不安もありましたが、『一人でも多くの働く女性のサポートをしたい』と、原点に立ち戻って入社時の動機を思い出しました。意志を持つと道は開けてきます」。そして、現在大学3年生になった息子は就職活動の最中だが、自分のやりたい道に進みたいと思っているそうだ。「あまり詳しい話はしていないのですが、親の背中を見てくれたとすればうれしいですね」。一瞬、リーダーの顔から母親の顔に戻った。 (文・ライター村田くみ) ・人生で一番大切なもの : 常に感謝の気持ちを持つこと ・仕事史上最大の失敗 : 前向きな性格なので、失敗をしてもその都度解決をしている ・働く理由 : ポピンズという会社が好きだから ・最近、影響を受けた人 : 上司の中村紀子代表取締役CEOと、森栄子取締役副社長 ・最近、影響を受けた本 : 細谷亮太著『川の見える病院から-がんとたたかう子どもたちと』 ・ストレス解消法 : お風呂に入って音楽を聞く、ネイルを整える ・健康管理術 : 緑茶をたくさん飲む (この記事は社会(ジョブラボ)から引用させて頂きました)
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