***[Q]　ほくろが増えたのは年齢のせい？　これ以上増やさない方法はありますか？　　***

　元々ほくろが多いタイプでしたが、20代後半にさしかかり、最近ますます増えました。これは年齢のせいなのでしょうか。できればこれ以上増やしたくないのですが、よい予防法はありますか？　ほくろは皮膚がんに関係があるとも聞いたことがありますし、何かの病気ではと心配でもあります。（27歳）



***[A]　ほくろは加齢と皮膚への刺激で増加。肌のお手入れをしっかりと。　***

　ほくろは年齢が上がるにつれ、増える傾向があります。そのメカニズムは、加齢によりシミやそばかすが増えるのと同じです。年齢を重ねると、皮膚の代謝も落ちます。そうすると、皮膚の基底部にある色素細胞（メラノサイト）が活性化して増殖しても体外に排出されにくくなり、色素をためこんだままになりがちです。相談者の方は元々ほくろが多いタイプとのことですが、誰でも年齢を重ねるにつれ、大なり小なりほくろは増えやすくなるものです。



　ほくろと病気の関連性についてですが、多くのほくろは良性で、心配ないことがほとんどです。しかし、まれにほくろが悪性腫瘍、いわゆるメラノーマであることもあります。メラノーマは、メラノサイトががん細胞化したもので、増殖するにつれ、リンパ節に転移して命にかかわります。メラノーマとほくろの見分けはとても難しいのですが、「ほくろのまわりの皮膚との境界がにじんできたら要注意」ということです。もし、ほくろが大きくなってきたり、ほくろの形が崩れたり、輪郭がにじんできたということがあれば、すぐに皮膚科にかかりましょう。



　先ほど加齢によりほくろができやすくなると説明しましたが、できるだけ増やさないようにすることはできます。メラノサイトは皮膚に刺激を与えることで活性化しますから、肌をしっかりと保護することで、ほくろの増加を避けることができるのです。たとえば、日光に当たることも刺激になりますし、引っかいたり掻いたりすることももちろん刺激です。また、乾燥して皮膚がひび割れれば、そこに色素が沈着します。日焼け対策や保湿、つまりお肌のお手入れをしっかりすることが大切です。ほくろをひとつのサインととらえ、スキンケアを今一度見直してみてはいかがでしょうか。



　







対馬 ルリ子

産婦人科医。1958年生まれ。内科、乳腺外科、心療内科やアロマテラピー、鍼灸などの女性専門家たちとともに、女性の心と体をトータルにサポートする。2003年には、全国で女性外来を運営している女性医師たちと「女性医療ネットワーク」を設立。啓発活動、情報提供に忙しく飛び回る。夢は、「女性の思春期から更年期以降まで、トータルで健康をサポートをしていくこと」。





(この記事は社会（ジョブラボ）から引用させて頂きました)



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